行政書士費用の会計処理
行政書士に依頼したことによって発生した費用は、経費処理することが可能です。
当事務所にご依頼を頂いた場合に発生する費用について、どのように会計処理を行えばよいのかを説明いたします。大きく、「個人事業主の場合」「法人の場合」に分けて説明いたします。
個人事業主の場合
個人事業主とは、法人を設立せず事業を行っている方を指します。小規模な飲食店などは個人事業主として事業を行っている方も多いかと思います。
このような個人事業主の場合、税務署に開業届を出して開業という流れを踏まれるかと思いますが、この開業届に記載する「開業日」が経費処理と大きく関係してきます。
【開業日前に発生した行政書士費用】
開業日より前に発生した費用は、「開業費」として資産計上することになります。
開業費と聞くと名前のイメージから経費のように思われますが、これは経費ではなく繰延資産という資産の一種です。一旦資産に計上され、事業年度末に「開業費償却」(減価償却に似ています)という処理を踏み費用化されます。つまり、最終的には経費に算入されるという形です。
【開業日後に発生した行政書士費用】
開業日後に発生した費用は、「開業費」として資産計上、もしくは「支払手数料」や「支払報酬」として経費処理することになります。
開業日前に発生した行政書士費用は「開業費処理」を原則としてしなければなりませんが、開業日後に発生したものであれば開業費処理と経費処理を選択することができます。というのも、開業費処理(繰延処理)はあくまでも例外的な会計処理方法という位置付けであるため、経費として計上できるのであればその方が会計上自然だからです。
このように、個人事業主の方が行政書士に依頼して発生した費用は、全額を経費処理(もしくは繰延資産を経て経費処理)することができるのです。
法人の場合
中規模以上の飲食店であれば、個人事業主ではなく法人化して事業を行っている方も多いかと思います。
このような法人の場合、経費処理の関係から会社設立日が重要となります。
【会社設立日より前に発生した行政書士費用】
会社設立日より前に発生した費用は、「創立費」として資産計上することになります。
創立費と聞くと名前のイメージから経費のように思われますが、これも開業費と同じように経費ではなく繰延資産という資産の一種です。一旦資産に計上され、事業年度末に「創立費償却」(減価償却に似ています)という処理を踏み費用化されます。つまり、最終的には経費に算入されるという形です。
ちなみに、会社設立前に発生する行政書士費用として代表的なものが、会社設立申請代行に関する費用です。当事務所も会社設立代行の依頼を受けておりますが、このような費用は性質上会社設立日より前に発生するため、創立費処理することになります。
【会社設立日より後に発生した行政書士費用】
会社設立日より後に発生した費用は、「開業費」として資産計上することになります。
会社設立日より後に発生した行政書士費用は原則として「開業費処理」することになります。開業費は、開業に関して発生した費用であり、創立費と同様に資産計上され、事業年度末に「開業費償却」(減価償却に似ています)という処理を踏み費用化されます。つまり、こちらも最終的には経費に算入されるという形です。
当事務所に営業許可申請代行などをご依頼いただいた場合の会計処理が、この開業費処理です。
営業許可申請は会社設立後・開業前に行うことになるため、当事務所にお支払いいただいた料金は全額がこの開業費処理の対象となります。
【開業日より後に発生した行政書士費用】
開業日より後に発生した費用は、「支払手数料」や「支払報酬」として経費処理することになります。
これに該当する業務(開業日後に当事務所にご依頼を頂く可能性がある業務)としては、定款変更や営業許可申請の更新代行などです。
このように、個人事業者・法人に関わらず行政書士費用の全額を経費処理(もしくは繰延資産を経て経費処理)することができます。
その他、会計処理に関してのご不安や不明点なども、ご依頼に合わせてご相談頂ければと思います。ご相談やご依頼は、メールからお待ちしております。